朝起きて顔を洗ったとき、トイレに行って手を洗った後、お風呂からあがって体を拭くときやそのほかにもたくさん、生活のあらゆる場面でタオルのお世話になっています。
ハンドタオルにフェイスタオル、スポーツタオルにバスタオルなど、一日に一度もタオルを使わない日があるでしょうか?
そんな存在であるタオルの一つに泉州タオルというタオルが存在します。
【泉州タオルの誕生】
日本にタオルがやってきたのは明治5年のことだそうです。
江戸時代が終わって明治になり文明開化していく、まだお侍さんがちょんまげを切り落としてたった5年しかたっていない時代のことです。
そんな時代に日本にやってきたタオルを研究し、後晒しタオルを誕生させたのが大阪・泉州の里井圓治郎という白木綿業者でした。
これが現在の泉州タオルの歴史の幕開けです。
後晒しというのは、タオルを織りやすくするためにつけたノリや蝋を落とすための晒しという作業を、タオルを織りあげた後にする方法のことで、この製法を用いるために泉州タオルは通常のタオルよりも肌触りがよく、吸水性に優れているのです。
だから、通常新品のタオルを使う前に吸水性をよくするために洗濯してから使う人がいますが、この泉州タオルにはその作業は不要なのです。
ちなみにこのように肌触りがよいことと、大変高価であったことから、当初は主に襟巻として使われていたそうで、これって現在のマフラータオルのハシリかもしれません。
こうして生まれ、現在では大阪・泉州地区で生産されるタオルの総称である泉州タオルは、国内産タオル生産量の約半分にあたる47%を生産しています。
【今治タオルと泉州タオル】
そんな泉州タオルは、知名度も高く、世界最大のタオル産地と称される四国・愛媛の今治タオルと並んで日本の有名なタオルであり、泉州と今治は日本を代表するタオル産地です。
歴史では、泉州タオルの祖先となる後晒しのタオルを里井圓治郎が完成させたのが明治20年であるのに対し、今治タオルは明治27年生まれで、泉州タオルの方が7歳お兄さんです。
どちらのタオルも吸水性に優れたすばらしい国内産タオルであり、安価な外国産にはない品質を兼ね備えています。
そのような品質などで海外のショーでグランプリを受賞した今治タオル同様、薬品を使わない高品質のタオルにこだわった泉州タオルもJAPANブランド育成支援事業の認定を受けて、ブランドを確立する取組を行っており、これからもどんどん世界に飛躍してくれることでしょう。